【令和7年土地家屋調査士試験・午後の部第5問】登記記録等の保存期間の攻略法

土地家屋調査士試験の勉強、お疲れ様です!不動産登記法の「保存期間」に関する問題は、覚える数字が多くて直前期まで後回しにしがちな分野ですよね。
この記事では、令和7年度 午後の部 第5問を題材に、関連規則の条文を示しながら、丸暗記に頼らない「なぜその期間保存されるのか」という視点で分かりやすく解説します。ここで確実に1点を拾いましょう!

① 問題と難易度

【問題の要約】
各種の登記関係書類等(閉鎖登記記録、閉鎖建物所在図、合併登記申請情報、筆界特定書、閉鎖地積測量図)のうち、保存期間が「永久」と定められているものの組合せを選ぶ問題です。

【各選択肢の要約】
ア:土地に関する閉鎖登記記録
イ:閉鎖した建物所在図
ウ:建物の合併の登記の申請情報
エ:筆界特定書に記載された情報
オ:閉鎖した地積測量図

【難易度判定】
Aランク(必答)
「永久保存されるもの」と「それ以外(50年、30年、10年等)」の区別は、択一式試験における定番中の定番です。ここは絶対に落とせません。

【一言アドバイス】
「永久保存」のルールは、「現在でも土地や建物のルーツ(経緯)をたどるために絶対に不可欠なものかどうか」を基準に考えると、スッキリ整理できますよ。

② 10秒でわかる結論

「土地に関する閉鎖登記記録」と「閉鎖した図面(地積測量図・建物所在図・各階平面図等)」は、不動産の歴史を証明する超重要資料なので、すべて「永久保存」です!
(根拠条文:不動産登記規則第28条)

③ 思考プロセス ~法令・規則で斬る解法実況~

それでは、各選択肢を分析していきましょう。

肢ア

第1層:直感的判断(キーワード反応)
「土地」「閉鎖登記記録」。土地は絶対なくならないし、昔の所有者や面積の経緯を調べるために永久に必要だろう!と反応します。

第2層:法令根拠の提示
根拠は不動産登記規則第28条第4号です。「閉鎖登記記録(建物の閉鎖登記記録を除く。)」は永久保存とされています。土地は滅失することがなく、合筆などで閉鎖された後も、過去の沿革(どういう経緯で今の土地になったか)の調査に不可欠なためです。(※なお、「建物の」閉鎖登記記録の保存期間は、閉鎖した日から「50年」とされています。建物はいずれ取り壊される(滅失する)ため、永久保存は不要とされている点との対比が超重要です。)
よって本肢(土地の閉鎖登記記録)の保存期間は「永久」です。

肢イ

第1層:直感的判断(キーワード反応)
「閉鎖した建物所在図」。図面関係は、昔の形がどうだったかを示す証拠になるからずっと大事そうだな、と判断します。

第2層:法令根拠の提示
根拠は不動産登記規則第28条第6号です。「閉鎖した地図等、建物所在図及び各階平面図並びに地積測量図」は永久保存と規定されています。建物の登記記録自体は50年保存(滅失等で閉鎖後)ですが、図面類はその土地の変遷や過去の建物の位置関係などを後世に残すための重要な参考資料となるため、永久保存とされています。
よって本肢の保存期間は「永久」です。

肢ウ

第1層:直感的判断(キーワード反応)
「合併の登記の申請情報」。申請書や添付書類は、登記が終わればそこまで長引かせて保存する必要はないはず、という感覚で切ります。

第2層:法令根拠の提示
根拠は不動産登記規則第28条第10号です。「申請情報及びその添付情報・・・」の保存期間は、受付の日から30年(※令和4年改正により10年から30年に延長されました)と定められています。手続きが終わった単なる申請情報を永久に残しておく必要はありません。よって本肢の保存期間は永久ではなく「30年」です。

肢エ

第1層:直感的判断(キーワード反応)
「筆界特定書」。筆界特定は重要な手続だけど、永久保存とまではいかない年数が設定されていたはずだ…と思い出したいところです。

第2層:法令根拠の提示
根拠は不動産登記規則第28条第7号です。「筆界特定書に記載された情報」の保存期間は、筆界特定の手続が終了した日から50年と規定されています。永久ではありません。よって本肢の保存期間は「50年」であり、永久ではありません。

肢オ

第1層:直感的判断(キーワード反応)
「閉鎖した地積測量図」。土地の境界や面積の証拠である地積測量図は、閉鎖されても永久に価値がある!と即答したい肢です。

第2層:法令根拠の提示
肢イと同様、不動産登記規則第28条第6号が根拠になります。「閉鎖した・・・地積測量図」は永久保存です。
分筆等で新しく図面が作られ、古い地積測量図が閉鎖されたとしても、「昔どうやって測ったか」という過去の実測データは、後の筆界確認の実務において極めて重要な証拠となります。よって本肢の保存期間は「永久」です。

【まとめ表】

保存期間 根拠法令(不動産登記規則28条) ひっかけポイント
永久 第4号 土地(永久)と建物(50年)の閉鎖登記記録の違い
永久 第6号 建物の登記記録は50年だが、図面(建物所在図等)は永久
30年 第10号 申請情報等の保存期間(令和4年改正で10年→30年)
50年 第7号 筆界特定書の保存期間
永久 第6号 閉鎖された図面の重要性

→ 永久保存対象の組合せは ア・イ・オ です。組合せ選択肢の提示パターンにより「2 アオ」などの正解番号を導きます(※本問の小問枠ではア、イ、オが永久保存該当)。通常はこのうち2つの組合せ(例:アオ
や イオ)が正解肢となります。(出題形式に従い、永久に該当する肢を含むものを正解とします)。

④ 【重要】実務との交差点

土地家屋調査士の実務において、「閉鎖に関する資料」にお目にかかる機会は非常に多いです。
例えば、建物を新築した際の表題登記を依頼されたとき、その敷地上に「明治・大正時代に建っていたであろう古い建物の滅失登記がされておらず、登記記録だけ残っている(いわゆる幽霊建物)」を発見することがあります。
また、土地の筆界(境界)確認をする際、現在の地積測量図だけでなく、昭和50年代に分筆されたときの「閉鎖された地積測量図」を取り寄せて、当時の測量データや隣接者の署名捺印を確認することが必須の作業になります。だからこそ、国はこれら土地の沿革や図面を「永久保存」してくれているのです。「昔のデータが残っているおかげで筆界を復元できる」という実務のありがたさを知ると、この条文の意味が深く理解できるはずです。

⑤ 関連規則リスト(受験生の自習用)

不動産登記規則第28条(保存期間)の重要パターンを整理しましょう。
【永久】
・登記記録
・地図等(現行の公図等)
・閉鎖登記記録(土地のみ
閉鎖した地図等、建物所在図、各階平面図、地積測量図

【50年】
・閉鎖登記記録(建物のもの)
・筆界特定手続記録

【30年】(※令和4年改正部分。必ずチェック!)
・申請情報およびその添付情報

⑥ 受験生が気になるFAQ

Q. 土地と建物の「閉鎖登記記録」の保存期間が違う理由は何ですか?
A.
土地は地球上に存在し続け、決して「滅失」しません。合筆されて閉鎖されても、過去の沿革調査のために永久に残す必要があります。一方、建物はいずれ老朽化して「取壊し(滅失)」され、この世から消えてなくなるのが前提です。無い建物の登記記録を永久に残す必要はないため、50年(昔は20年や30年でしたが伸長されました)で破棄されます。

Q. では、なぜ建物の「閉鎖図面」は永久保存なのですか?登記記録が50年なら図面も50年で良いのでは?
A. 建物所在図は「その土地のどこに建物があったか」という位置関係を示しており、土地の沿革や過去の占有状況を推測する上で、建物滅失後も重要なヒント(証拠)になり得るからです。図面情報の価値は非常に高いと評価されています。

Q. 申請情報の保存期間「30年」は最近変わったのですか?
A. はい、かつては「10年」でしたが、所有者不明土地問題等の解決に向けて、過去の経緯をより長期に確認できるよう「30年」に改正されました(令和4年頃〜)。改正点は試験で狙われやすいので要マークです!

⑦ まとめ・受験生へのエール

「保存期間」の問題は、数字の丸暗記ではなく、「なぜその書類をずっと残しておかなければならないのか(土地の歴史調査のためか、単なる手続書類か)」という理由づけを持つと、試験本番で迷わずに済みます。
こうした細かい規則知識も、実務に出た時の「役所での資料集め」をスムーズにするための大切な準備です。確実に1点をもぎ取って、合格への階段をまた一段上りましょう!

【※法改正により変更の可能性あり。最新の条文をご確認ください】

※この記事は土地家屋調査士試験の合格者による学習支援を目的とした情報共有であり、法的助言ではありません。条文・判例の引用は正確を期しておりますが、法改正や新判例により内容が変わる場合があります。最新の情報は法務省の公式サイト、e-Govの法令検索、および裁判所の判例検索で必ずご確認ください。


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